2月特別公演
シリーズ古典を愉しむ第二回
もののあはれ源流への旅
全五十四帖連続語り
京ことば源氏物語
第一帖「桐壺」の巻
京ことばによる源氏物語 (女房語り:山下智子)
京都の気候風土、その恵みなくして平安王朝文化の花が開き、そして源氏物語という果実がもたらされることはなかったでしょう。
ことばと土地風土は密接な関わりを持っており、
それはその土地に生きる人々の発想そのものであるといえます。
主語をあえて伏せるのも京都ならではの表現です。中井先生の源氏物語はそんな原文の気配を損なうことなく王朝の雅が表現されています。
方言での朗読に勢いのみられる昨今ですが、京ことばも失われつつあるその一つです。方言は文字にすると慣れない言い回しがひらがなで続き理解しにくいこともあるのですが、京ことばの丁寧語や謙譲語、尊敬語などを少し知るだけでその場の人物の身分、立場を区別することができ、宮廷に仕える女房の語るがごとくそれを声にすることによって視点が定まり、京ことばという方言の持つ含み、見立て、湿度、曲線があいまって放つ「気配」に立体化された、平安王朝世界の広がりを味わっていただけるものと思います。そして非力ながらも京語りを通して、生きたことばを後に伝えてゆくことに大きな意義と喜びを感じています。
京ことば源氏物語は文学の域を超えて、いにしえに生きた人びとの息づきが感じられる新しい魅力を持っているのです。
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日 時 2月3日(日)開場13:30 開演14:00
費 用 2,000円(前売り) 2500円(当日)
定 員 80名(先着順)
締 切 当日券販売時まで(先着順)
出 演:紫苑語り会主宰 源氏物語 女房語り 山下智子